第4章 事故

 

   「このままでいいのだろうか…」

   佑一は思った。しかし、自分の信じたことを裏切ることもできない。

   しかし、どうしても練習ははかどらない。

   「あと2ヶ月半しかないってのに…」

   その気持ちは、美香も同じだった。

   「このままじゃだめなのに…」

 

   ゆっくりと、時は流れてゆく。

   運命のいたずらがしくんだわなが、二人を追いやるように。

 

   練習の時も、暗い雰囲気の時間が流れてく。

   どうしても、自分から折れることが出来ない。

   そんなある日の練習時の時だった。

 

   いつものように、やや重い雰囲気の中、練習が続く。

   しかし、突然に、そのことは起こった。

 

   ぐらぐらと揺れるその天井の蛍光灯。

   突然、美香の上に落ちてきた。

   「あぶねぇ!」

   とっさに、横にいた佑一が美香を抱いてよけた。

   ガチャーン、とおとをたてて落ちた。

   「あぶなかったなぁ…あいてっ!」

   とっさによけたものの、二人の足の上に落ちてしまったようだ。

   「あたしも…いたいっ!」

   「たいへんだ!」

   先生は落ち着きを失って叫んだ。

 

   …病院へかつぎ込まれた。

   二人とも足の一部をを折り、全治一ヶ月だという。

   幸いなことに、二ヶ月半ののちにおこなわれる発表会までには、完治しているだろうとのことだった。

   

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