Vo2 相棒
初のホームルーム、先生の一言。
「それじゃ学級の役員を決めましょう!」
学級役員か。去年のボクは生徒会などをしてたから忙しすぎたなぁ。
今年はどうしよっかな・・・と迷っていた。
「じゃぁまず、室長と副室長から決めますよ。立候補ある?」
・・・当然の筋ながら、進んでクラスのポストをやろうとするヤツなんて、このクラスには居ない。
どうしよっかな・・・やらねーんだったらまたボクになっちゃいそうだし・・・
この際・・・
「誰もやらんのやったらボクがやるわ」
そう言って手をあげた。どうせ忙しいのにはなれてるし、他の委員会なんかやるのはあんまり気が進まない。
じゃぁもうこの際室長やっちゃえ、と言う考えだった。
「じゃぁ副室長に立候補する人は?」
先生の一言に反応する人物は居ない。みんなめんどくさがりなヤツばかりだから・・・
と思ったその時。
「はい、私、やる。」
・・・声を発して手をあげたのははるかだった。・・・え゛;
ずいぶんとあっさり決まったもんである。過去のクラスではそんなヤツいなかったのに・・・
まぁそんなわけで、このクラスのポストはボクとはるかのコンビにあっさりと決まっていた。
「それでは次に学級書記と会計と・・・」
「はいっ!」 「はいっ!」 「はいっ!」
なんだこいつら。 楽な役ばっかり人気が集まるもんだな; やっぱみんなめんどくさがりだ。
ホームルームが終わって、とりあえず相棒に決まったはるかに話しかけてみた。
「よく立候補したな、お前。」
するとはるかはこう答えた。
「やる人いなさそうだったから・・・。他の委員会はなんかやだし、居ないんだったらアタシがやろっかな・・・って。」
げ、理由同じじゃん;
「それにさ、アタシ今までのクラスでも学級役員何回もやってて慣れてるから。」
う゛、やっぱり;
「じゃ、まぁお互いがんばろっか。」
「うん。」
「よぉ、お前また忙しい役だなぁ。」
・・・ん? そう話しかけてきたのは祐作。横に秀もいた。
「昼休み、お前もやるだろ?アレ。」
「あぁ、やるよ。もちろん。」
ボクはそう言葉を返した。
「アレって、昼休みにアンタらがやってるアレ?」
そう、アレ。昼休み、ボクらの仲間が10人ばかりでやる・・・アレ。
昼休みになった。
「グーとパーで少ないほう!」
「よっしゃー勝った!」
「ちきしょー」
こんな感じで始まったのは・・・中3にもなって鬼ごっこ!
しかも最後にチャイムが鳴ったときに鬼だったヤツは全員からつねられるという
何とも恐ろしくスリルのある鬼ごっこ・・・
中3にもなって・・・と言われるかも知れないが、かなり浸透している上、
みんな楽しんでやっているのだ。だからいいのだ!(^^;
と言ってる間に・・・
「うぉぉぉぉぉぉぉ!」
「え、お前鬼かぁ!」
「そうや!」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!」
逃げた。
『キーンコーンカーンコーン・・・』
「だーチャイム鳴ったー!」
「よっしゃー逃げきったぁ!」
この瞬間の喜びはやった人しか分からない・・・
そして鬼で終わった人の絶望も・・・(笑)
ただ、このゲームをしていて先生に何度注意されたか。
でもやめられないとまらない(笑)
さて、1週間後は春の総体だ。
サッカー部では、猛練習とポジション決めなどが始まっていた。
第3章に続く