Vo4 敗北とステップ
FW達が必死にボールをさばいてゴールへ走る!
ボクは思った。いっそのこと全員攻撃したら・・・と。
せめて1点でも取りたい。そういう思いは、みんな同じのハズ。
すると左バックスの拓也が突然走り出した。
「うぉぉぉぉ!」
ボクの思っていたことを拓也は実行に移していた。すごい勢いで拓也は攻め上がる。
そうか、1点でも入れようと思う気持ちが、アイツは誰よりも強いのかも知れない。
ボクも1点でも入れられたら、と思う気持ちがある。しかし、実行に移しきれなかった・・
そんな中を、拓也は走っていった。
そんならボクも・・・と思った瞬間、
『ピーッ』
終了の笛の音が響きわたる。
結局、1点も入れられずに大敗したのだった・・・。
翌日の朝の学校で、考えていた。
自分には、足りなかった。実行力。
考えてみると情けないような気がする。
そんなことを考えていると・・・はるかが来た。
「おはよ。」
「あぁ、おはよ。」
「その顔見るとサッカー部負けたん?」
「ああ負けたよ!人数足りたばっかりやから仕方ないやろっ!」
「いいわけ?」
「うるせー!」
そこに、祐作が来た。
「俺ら勝ったぞー!サッカー部どうだったー?」
「・・・負けたよー;」
「やっぱり?」
「やっぱりとはなんじゃー(−−^」
はぁ。ま、次の試合で頑張るしかないか。せめて1点とりたいなぁ・・・
そこへさらに達治と光太郎が来て、
「トランプやらん?」
「あー・・・やるわ。ちょっと待って。」
「アンタら先生に見つかるんちゃう?」
そう、はるかの忠告の通り、学校でトランプは禁止・・・;
理由は学習に不必要だから。
でもボクらの主張は、「休憩時間にやるなら問題ないはず」
見つかったら取り上げられる。でも、楽しいもんはやめられないっての。
「じゃぁお前教室の外でみはっとってよ。先生来たら言って。どうせヒマやろ。」
「・・・」
達治の言葉に、教室を出ていったはるか。表情は「やれやれ」という感じだった。
「さて勝負大富豪!」
・・・ふぅ。今回のサッカーの試合の教訓を生かして練習するとして、
負けたことはもう気にしないでおこう。
そう考えた。
「さぁ修学旅行が近づいてきたから、これから学年集会で班決めします。」
修学旅行。東京へ行く。ディズニーランドや、東京を一日自由散策もある。
ずっと楽しみにしていた行事の一つだ。
さっそく仲間を集めて班を決めて、東京自由散策のルートなどを決めた。
「渋谷行こう絶対!」
「新宿アルタ前ビジョン見に行こうぜー。いいともの最初映りてぇ」
「東京タワー行ったことねーから行こうぜ」
「秋葉原がいい。」
ざわざわとした中で・・・なんとか決まったものの、各箇所にいる時間が少ないっ!
普通に考えて秋葉原50分でまわれるのか???
目的地欲張りすぎだよ・・・ま、しゃーないか・・・。
そのままコースを先生に提出して、放課になるためそのまま帰ろうとしたのだが・・・
「あ、室長と副室長はあとで会議があるから。残っていってよ。」
・・・はぁ?さっさとサッカー部の練習に行きたかったのに。
「・・・はい、わかりましたぁ・・・。」
「・・・じゃぁそういうことで修学旅行中クラスのまとめ役として頑張ってくださいね。以上で終わります。」
やっと終わった・・・
「あー疲れた。なぁ。」
「もうアタシだるいわ。てゆうか修学旅行中大変なんやなアタシらって。忙しいやん。」
「もう、会議のせいでサッカー部行かれへんわ。もう時間あらへんもん。さっさと帰ろ・・・。」
「アタシも帰る。」
部活の時間はまだ15分ほどあったが、15分じゃ準備運動とアップで終わってしまうし、もう既にだるい。
さっさと帰った方が身のため(?)である。
でボクらはそのまま帰り道についた・・・ボクら・・・?
第5章へ続く