Vo、5 修学旅行へ
なりゆきで、いつのまにか2人で帰り道を歩いていた。
・・・こんなことはじめてだった・・・女子と二人で帰るなんて。
「東京ディズニーランドってアタシこの前行ったばっかりなんやけどなー。」
「うそ?あ、そう言えば吹奏学部は全国大会の時に先生に連れてってもらったんか。ええなー。」
「だって今度の修学旅行で結局行くんやから同じ事やわ。」
「楽しかったん?」
「あんまり。」
・・・そーこー主に修学旅行の話をしながら帰り道を歩いていったのだった。
「じゃぁアタシこっちだから。バイバイ。」
「おぅ、またなぁ。」
よくも話がとぎれないヤツである。
テンションの高さのおかげか、女子と二人きりだというのに全く緊張しなかった。
それどころか親近感まで感じたのだ。
ホントに不思議な女だよアイツは・・・あんなヤツとクラス委員組んでるんだなー・・・と思うと・・・(ーー;
そんなこんなで、修学旅行の日がついに来たのである
「全員揃いましたかー?」
先生達の雄叫び(?)がこだまする駅前広場。
学年全体の人数が少ないからか、そんなに膨れ上がった集団には見えない。
さてこれから修学旅行へ出かけようと言うところなのだが、・・・
「33,34・・・一人足りないぞー;」
そう、よりのよってうちのクラスだけー・・・一人足りない。集合時刻まであと3分。
「ちょっとだれがおらへんの?」
「あ、きたよー!」
「遅くなってすまんー!」
「お前かぁぁぁぁぁ大紀ぃ!」
まったく。本当に先が思いやられるよ。
私鉄に新幹線に乗り換え・・・新幹線の中ではみんなみんな騒ぐ騒ぐ。
ボクらのようにトランプしている者もいれば、そこらじゅうを歩いているヤツ、写真を撮りまくるヤツ
菓子や弁当を食うヤツ、気持ち悪くなって吐くヤツなど様々だ。(おぃ)
「よっしゃあがりぃ!」
「あん?もうあがりかお前?早いなー。」
「へっへっへ、誰が俺にジュースおごってくれるのかな?」
「なに、アンタたち賭事やってんの?」
「な、なんだよ、いきなりしゃべりかけるな西山のアホ。」
「なによ!」
「なんだよ!」
あーまたケンカになってしまった・・・と自分で思いつつも、どうしてもケンカにもつれ込んでしまう。
「まーまーお二人さん、ケンカするほど仲がいいって言うじゃん。」
『やかましい!』
あ、ハモった・・・(汗; しっかし腹立つわ・・・
「てか何でつっこんでくるんや!」
「ふと見てたら賭事やってそうやったから聞いただけやん!」
「ええやんやってても!ジュースくらい!」
「んならそうと早く言いなさいよ!アホなんて言うのはよけいでしょ?!」
「お前がアホやからアホって言ったんやんか!」
「アンタに言われたくない!」
・・・まわりから見ても止められなかったらしいこのケンカは、東京駅に着く少し前まで続いた・・・そして・・・
「そろそろ東京に着くんちゃう?」
「点呼めんどくさいなー。」
いつの間にかケンカでなくなっていた。というか、なごんでいた(笑)
・・・この時はまだ、自分の楽しさに気付いてはいなかった。そう、何かに気付いていなかった、何かに・・・
そして東京への第一歩に繰り出したのである。
「ディズニーディズニー♪絶対スペースマウンテンに乗るぞ!」
一日目の第一目的地。東京ディズニーランドである。
自分のグループと、8時間ほどディズニーランドを回るのである。
「よーし、早速乗ろうぜ!スペースマウンテン!」 ←作者の一番乗りたかったやつ。by作者
「後だよ、後。そのまえにこっちのカリブの海賊行こうっ!」 ←これはホントに面白いですby作者
「いや、ビックサンダーマウンテンだ!」
・・・もめるわもめるわ・・・結局、
「近いとこからいきゃーいいじゃんっ!」
ボクの言葉で全てはは決まったのだった。
「あ、なるほど・・・」
なーんでそんなことも気付かないんだこの単純バカ軍団が(−−;
「今度はこれいこうぜ!」
「うお!45分待ち?!」
・・・悲惨。時間待ちの多い中、たくさんのることはできなさそうだな・・・
そう思いながら、5月なのに異様に暑い日差しの中をいろんなアトラクションで何十分も並ぶことになるのである
第6章へ続く