第一章・再会

 

    …佐山中学校の2年2組。

    朝っぱらからみんなが元気にやっている。

    佑一と大輔はいつものようにしゃべくっている。

    …8:32,島先生がやってきた。転校生をつれて。

    「はい挨拶しよー」

    「きりーつ、れい、ちゃくせき。」

    「今日からの転校生を紹介するぞ。小山美香さんだ。」

    「はじめまして。」

    その時、佑一ははっとした。

    「あいつ、どっかで見たことが…」

    「じゃぁきみの席はあそこな。」

 

    何故か1限目はずぅっとそのことばっかりあたまに入っていて、

    勉強のことが入らなかった。(いつものことだが。)

 

    「おもいだしたぁ!」

    休憩時間中に急に叫んで、みんなの目は佑一に向いた。しかし、すぐに元に戻った。

    「なにを?」

    大輔が言った。

    「だから、あの転校生のこっだよ。おまえは覚えてねーか?ほら、…」

    すると、後ろから声がかかった。

    「あのぉー、ちょっと聞きたいんだけど…。」

    美香だ。

    「もしかして…佑一?」

    「やっぱしおまえは…」

 

    そのとき、佑一は4年前のことを思い出していた。

    …4年前にいたある小学校。自分は転校することになった。

    その小学校で、クラスメートだったのが美香だった。

 

    次の休み時間、2人だけで思い出話をしていた。そのうち…

    「あんときはさ、…僕、おまえのこと、実を言うと…好きやったんやで。結局言えずじまいやったけどなぁ。」

    「うそぉ…そんなんゆうたら…あたしもそうやった。」

    「はぁ?マジ?」

    「…あたし、あんたのこと忘れた事なんてなかったんやでな!」

    「僕は今でもおまえのこと好きやで。」

    「…あたしも」

    「じゃぁあらためてゆうけど、…つきあってくれる?」

    「もちろん。」

 

    その後、美香も演劇部にはいった。

    夢は佑一と同じなのだ。

    一緒に夢を叶えるために…。

 

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