「ここの感じはやっぱりやさしくしたほうが…。」
「あかん!ぜったいここはきついやり方で…」
台詞の感じの出し方で、佑一と美香がけんかをはじめてしまいました。
「おまえは前からそうやったわ。必ずしも僕の意見に口出ししやがって…。」
「あんたに言われたないわ。そっちこそいつもあほみたいなことしかいわんやないか。」
雅史も祐介もあきれかえって
「けんかするほど仲がいいとは言うけど…なぁ。」
「止められそうもないなぁ…」
大輔は、
「練習がすすまんやろ、けんかやめてさっさと続きを…」
「うるさい!今口出しするな!」
…とんでもない状況になった。島先生は、
「とにかくや、そこの部分はまだ後でゆっくり考えたらええやろ。な。続きやろう。」
「……。」
「……。」
それからというもの、あんなに仲の良すぎたカップルが、全く口も聞かぬようになった。
「2人とも強情なやっちゃなぁ…。」
演劇部のみんなはあきれかえる。
第四章へ