第3章

 

 ボクはその場に立ちつくした。

 「い、今なんて言った?」

 「何度も言わさないでっ、はずかしぃじゃない・・・」

 「好き、ってきこえたんだけど・・・」

 「そうっ!」

 ・・・水木に続いてこいつまで・・・ウソだろ?そう思った。

 「・・・しばらく、時間をくれないか。返事出すまで。」

 「・・・わかった。」

 そういって、ボクは自分の席に戻った。

 

 悩んだ。なんでこんなことに・・・?

 どうすればいいんだろう・・・なかなか、結論は出ない。

 

 翌日。またあの声が響いた。

 「ゆうたっ、がっこう!」

 るせーやちきしょう!こっちはこんなに悩んでるってーのに・・・!

 「あのさぁ、ちょっと相談に乗ってくれないか?」

 菜摘なら、なんかいい知恵かしてくれるんじゃないかな。そう思った。

 「何よ、あらたまってめずらしい。」

 ボクは菜摘に事情を話した。

 「・・・ふーん。そうだったの・・・。」

 「どーしようかなー、と思ってさ。」

 「・・・あんたはどう思ってるわけ?」

 「いやどっちも別に好きでも何でもないんだし・・・でもきずつけるのは悪いかなーと思うし・・・」

 「・・・裕太。あんたってやっぱり鈍感ね。」

 「何ゆってんのや!」

 「それは、その二人をきずつけるのは・・・ダメよね。でも、・・・」

 「でも・・・なんだよ。」

 「あたしの方が・・・ずっとまえから・・・」

 「へ?まさかおまえまで・・・???」

 「あたしの方がずっとあんたのこと好きだったの!」

 ・・・へ?マジ?ウソ?

 「あんたは・・・どう思ってるの?」

 「・・・」

 「ちょっと!」

 全く言葉が出なかった。出せなかった。何で菜摘まで。

 なんでこんなことに・・???

 「しばらく考えてみたい。それから答えを出すよ。」

 そう言って、先にボクは学校にはいっていった。

 

 つづく

 

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