第6章
なんだかんだあった修学旅行も、3日目、最終日を迎えた。
「・・・なぁ、ユウタ・・・。」
「ん、なんか用?リュウ。」
朝6:30。ホテルのホールに出てきたところで話しかけてきたのは岸田隆(通称リュウ)。
そういえば・・・
「そういえばさ、おまえ、水木にコクったん?」
「いやそのことで相談が・・・。」
「?」
「なぁ・・・何でボクがやらなきゃなんないの?」
「だって、おまえが呼んでくれた方が・・・」
リュウが言い出したのは、こうだった。
まず、ボクが朝食後に水木を呼び出す。リュウのところまで連れてくる。
そのあと・・・リュウが・・・
「なぁ水木、ちょっと来てくれる?」
「いいけど。」
リュウがコクるなんて夢にも思ってないだろうなぁ・・・と思いつつ、リュウのところまで連れてきた。
「おうい来島ぁ。ちょっと来てくれるかぁ。」
連れてきてリュウと会わせたところで先生に呼ばれた。ちょうど良かったかもしれない。
・・・戻ってきたら、水木が一人、立っていた。
「リュウから話聞いた?」
「・・・うん。」
「で、おまえはどうしたん?」
「・・・返事、待ってもらった。」
「どうするつもり?」
「・・・私は、まだ来島君が好き。だから、今は返事できない・・・。」
「・・・なぁ、リュウのことはどう思う?」
「え?」
「どう思うってきいてるんだ。」
「どうって・・・キライじゃないけど・・・いい人だとは思う。」
「じゃぁさ、アイツと・・・付き合ってやってとまでは言わないから。友だちになってやってくれないかな。」
「・・・来島君は・・・私のこと好きじゃないんだ・・・」
「好きじゃないなんて言ってない。キライでもない。できれば、仲のいい友だちでいたいんだ。」
「・・・。」
「・・・じつは、今、ちょっとだけ、気になるヤツがいるんだ・・・。ごめんな。」
「・・・わかった。」
そう言って、水木は・・・部屋へ戻っていった。
「リュウ。」
「あ、ユウタか。返事、待ってくれって・・・」
「さっき水木に聞いた。」
「そっか。」
今、リュウは複雑な気持ちなんだろうな。水木が、考えてくれてればいいけど。 (←このときホンマで複雑なんですby作者)
そんなところへ突然勝平が・・・
「おーいユウタぁ!フロント集合するの何時だっけ?お、リュウ、どうした?いつもの明るさがないぞぉ?」
・・・この野郎!こんなときに・・・勝平はいつもノーテンキ過ぎるんだよ・・・
「こいつ今ちょっと気持ちが複雑になってるから・・・。フロント集合は8:30だったけど。」
「サンキュー。あ、そうだ、リュウ、ユウタ。あと30分自由時間なんだからダイスケたち誘って「大富豪」でも・・・」
「革命ありで。」
リュウ・・・元に戻った。返事もらうまでは暗いかな〜と思ってたけど・・・
「じゃ、やろーぜ。」
この後、トランプに夢中になりすぎて、5分遅刻して先生にどなられた。
「学級委員のくせになに遅刻してんだぁ!」だと。うるせぇ。学級委員でもそんなことはあるんじゃい。 (←その通り。by作者)
その後は、特に大きなこともなく、無事に帰ってきた。
行方不明者が出なくて、本当に良かった・・・。
しかし、家に帰ると・・・買ったはずのみやげが一つ足りなかった・・・。